世界COPDデー(11月19日)について
秋も深まり、朝晩の冷え込みに冬の訪れを感じる季節となりました。皆様、体調など崩されていませんでしょうか。
さて、来る令和7年11月19日(水)は「世界COPDデー」です。
突然ですが、皆様は「COPD(シーオーピーディー)」という病名を聞いたことがありますでしょうか?
実は、最新の調査(※)によると、COPDの全国的な認知度は32.7%(2024年12月時点)と、「3人に1人程度しか知らない」という現状です。 さらに、都道府県別でみてみると埼玉県の認知度は29.3%と、全国平均よりも低いというデータもあります。(※出典: COPD認知度調査 2024年)
この「あまり知られていない」COPDは、「慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)」の略称で、「たばこ病」とも呼ばれる肺の病気です。
当院は循環器・内科をメインとしていますが、皆様の健康を守る「かかりつけ医」として、この機会に、皆様にぜひ知っておいていただきたいCOPDについてお伝えしたいと思います。
COPDとはどんな病気?
COPDは、主に長年の喫煙習慣によって、肺の組織が壊れたり、気管支に炎症が起きたりして、息が吐き出しにくくなる病気です。
【主な症状】
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階段や坂道を上ると息が切れる(初期症状)
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慢性的に咳(せき)や痰(たん)が出る
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風邪でもないのに、呼吸のたびにゼーゼー・ヒューヒューと音がする
COPDの怖いところは、初期症状が「年のせい」「体力が落ちただけ」と見過ごされやすい点です。気づかないうちにゆっくりと進行し、重症化すると日常生活で少し動くだけでも息切れするようになり、酸素ボンベが必要になる場合もあります。
心臓と肺は密接な関係です
「肺の病気」と聞くと、当院に循環器(心臓)や高血圧などで通院されている患者様は、「自分にはあまり関係ないかな?」と思われるかもしれません。 しかし、COPDと心臓の病気(循環器疾患)は、非常に深い関係にあります。
1. 共通の危険因子「喫煙」
COPDの最大の原因は「喫煙」ですが、これは心筋梗塞、狭心症、高血圧、動脈硬化といった心臓病の最大の危険因子でもあります。 つまり、長年喫煙されてきた(いる)方は、COPDと心臓病の両方のリスクを抱えている可能性が高いのです。
2. 肺の不調が引き起こす影響
COPDによって肺の機能が低下すると、体は酸素不足に陥ります。 この酸素不足を補うため、心臓はいつも以上に頑張って血液を全身に送り出そうとします。この状態が続くと、心臓に大きな負担がかかり、心不全や不整脈を引き起こす原因となります。
「最近、息切れが…」その症状、ご相談ください
当院は、呼吸器の専門クリニックではありません。 しかし、内科・循環器のかかりつけ医として、皆様の「息切れ」の症状が、心臓から来ているものなのか、あるいは肺から来ているものなのか、見極めることが非常に重要だと考えています。
当院には、肺の機能(息を吐き出す力など)を簡単に調べることができる「スパイロメーター」という検査機器を常備しています。
問診や診察、このスパイロメーター検査の結果などを総合的に判断し、COPDが強く疑われる場合や、より専門的な治療が必要と判断した場合は、当院が責任をもって適切な呼吸器専門医や基幹病院へご紹介する体制を整えています。
最後に
COPDは、早期に発見し、何よりもまず「禁煙」することが、進行を遅らせるために最も重要です。加えて、COPDの方がインフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症にかかると、症状が急激に悪化し、時には入院が必要になったり、命に関わる事態につながったりする危険性があります。
これからの季節、これらの感染症の流行を防ぐためにも、インフルエンザワクチンや新型コロナウイルスワクチンの接種は、COPDの増悪予防に非常に有効な手段です。
もし、まだ接種をお済みでない方がいらっしゃいましたら、ご自身の体を守るためにも、ぜひこの機会に接種をご検討ください。(当院でも、インフルエンザワクチン接種や、新型コロナウイルスワクチン接種に関するご相談を受け付けております)
「年のせいだと思っていた息切れが、実はCOPDのサインだった」ということは少なくありません。 特に喫煙歴のある方で、階段を上るのが辛くなった、咳や痰が続くといった症状があれば、決して放置しないでください。
心臓のご病気であれ、肺のご病気であれ、早期発見・早期治療の「窓口」として、当院がお役に立てれば幸いです。気になる症状があれば、まずはお気軽にご相談ください。
