肺炎
I.肺炎とは
肺炎とは、肺が急性の炎症を起こしている状態をいいます。主に、細菌やウイルス感染などが原因となって起こります。
健康な人の場合、鼻や口から侵入した細菌やウイルスを喉でブロックすることができます。しかし、高齢者など、免疫力が下がっている場合は、細菌やウイルスが喉や気管を通り、肺まで侵入します。肺まで侵入した細菌やウイルスが炎症を起こし、肺炎を発症します。
肺炎は、原因によって大きく3つの種類に分類されます。
①細菌性肺炎
肺炎球菌やインフルエンザ菌、黄色ブドウ菌などの細菌が原因
②ウイルス性肺炎
インフルエンザウイルス、麻疹ウイルスなどのさまざまなウイルスが原因
③非定型肺炎
マイコプラズマ、クラミジアなどの微生物が原因
肺炎の種類や、年齢・健康状態によっても治療法が異なるため、どのような原因で肺炎を発症したのかを検査することが大切です。
出典:
II.肺炎の初期症状
肺炎の初期症状は、一般的な風邪と似ています。
下記の症状が1週間以上続いている場合は、早めに受診しましょう。
- 痰(たん)を伴う咳が出る
- 微熱がある
- 息を吸うと胸が痛い
- 食欲が出ない
- 息苦しい
- なんとなく体がだるい
など
III.肺炎の予後
高齢者の場合、肺炎の初期症状に気づかないケースが多いです。そのため、知らないうちに症状が進行し、肺炎が重症化することがあります。肺炎が重症化すると、呼吸困難に陥り、最悪の場合は死に至ります。
特に、免疫力が低下している65歳以上の高齢者や、免疫機能が未発達の乳幼児、呼吸器系の持病を持っている方などは重症化リスクが高まるため、早期の治療が大切です。
IV.肺炎になる原因
肺炎の原因の多くは「細菌感染」によるものです。免疫力が弱まることで、肺炎を発症しやすくなります。
免疫力が弱まる主な原因は以下の通りです。
- 風邪をひく
- インフルエンザに感染する
- 体力や免疫力が下がる
- 糖尿病を患っている
- 持病がある(主に呼吸器や心臓)
など
また、喫煙も肺炎の原因となります。
V.肺炎の検査方法
肺炎の主な検査方法は、以下の3つです。
1 胸部レントゲン、CT画像検査
肺炎の場合、胸部レントゲンやCT画像では、炎症が起きている箇所が白く映し出されます。
2 血液検査
血液検査では、血液中のCRPや白血球の数値により、炎症の有無を確認します。また、赤沈値で赤血球が沈む速さの確認や、血液中の酸素濃度を測ります。
3 喀痰(かくたん)検査
痰(たん)を採取して、痰(たん)の中にある細胞や成分、細菌の種類を調べます。呼吸器系の診断には必要不可欠な検査ですが、検査結果が出るまでに3~7日程度かかります。
VI. 肺炎の治療法
肺炎は「薬物療法」で治療します。治療薬の処方は、肺炎の種類によって異なります。
①細菌性肺炎、非定型肺炎
⇒主に抗生物質が処方される
②ウイルスによる肺炎
⇒抗ウイルス製剤が処方される
処方された薬は、医師の指示に従ってきちんと服用しましょう。
その他の肺炎治療のポイントは以下の通りです。
- 自宅で安静にする
- 規則正しい生活を送る
- 適度に運動する(1日20分~60分程度のウォーキングなど)
- 禁煙する
など
肺炎の原因となる細菌の種類は多く、昨今は「前はこの薬で効果があったのに、今は効果がない」という耐性を持つ菌(耐性菌)も増加しています。
そのため、肺炎を確実に治療する薬を処方することは簡単ではなく、発症した肺炎の治療は長期化する可能性があります。 まずは、肺炎にかからないようにすることが大切です。普段からこまめに手洗いうがい・消毒をするなど、しっかりと予防対策をしましょう。
VII.当院の対応可否
当院でも肺炎の検査や治療を行うことが可能です。多くの診療実績がございますので、ご心配な方はお気軽にご相談ください。